空間・部屋づくり

保育室、園庭、トイレ、遊戯室。園舎の中で、こどもと先生が毎日いちばん長く過ごす場所の話をまとめています。

図面が読めなくても大丈夫です。決めるべきことのほとんどは、建築の知識ではなく「この園でどう過ごしたいか」から出てきます。

広さの前に、過ごし方を決める

新しい園舎の相談は、たいてい「何平米必要ですか」から始まります。

面積の基準は確かにあります。ただ、基準を満たした部屋がそのまま使いやすい部屋になるわけではありません。

同じ広さの保育室でも、一斉に集まる時間を中心に考えるのか、こどもが小さな集団に分かれて過ごす時間を大切にするのかで、必要な形は変わります。

窓の位置、収納の量、先生の視線が通る範囲。そうした細部は、過ごし方が決まって初めて決められます。

だから私たちは、面積の話より先に、一日の流れをうかがうようにしています。

「安全」と「やってみたい」は、ぶつかる

こどもの安全は、園舎で最優先されることです。

一方で、段差をすべてなくし、こどもの手が届く場所から物を減らしていくと、挑戦できることも同時に減っていきます。

この二つは、どこかで必ずぶつかります。

私たちは、どちらかを一方的に選ぶのではなく、「見守れるかどうか」を判断の軸にしています。

先生の目が届く場所であれば、少し挑戦できる高さがあってもいい。目が届きにくい場所は、思い切って単純にする。

園の人数や職員体制によって、この線の引き方は変わります。

部屋は、一つずつではなくつながりで考える

保育室、廊下、ホール、園庭。図面の上では別の部屋でも、こどもにとっては地続きの一つの場所です。

部屋を一つずつ良くしていっても、つながり方が悪いと、移動のたびに渋滞が起きます。

朝の受け入れ、食事の準備、午睡、外遊び。人が動く時間帯は決まっているので、動線は先に確かめられます。

私たちが回遊できる園舎を大切にしているのは、設計の思想として聞こえがいいからではなく、日々の移動が楽になるからです。

手入れが続く形にする

素材選びは、見た目だけでは決められません。

木の床は心地よいものの、傷や汚れは残ります。掃除のしやすい床は、足ざわりが硬くなりがちです。

どちらが正しいという話ではなく、園の人手でどこまで手入れを続けられるかによって、選ぶものが変わります。

私たちは、利点だけをお伝えすることはしません。欠点も並べたうえで、一緒に決めていきます。

最初に読むなら

具体的な敷地や園の事情によって、答えは変わります。記事を読んで迷われたときは、図面がなくてもご相談いただけます。

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