保育園の園庭を工夫するポイントは?環境構成の考え方や事例を紹介
保育園の園庭は、子どもたちが毎日遊ぶ場所。自由に走り回るスペースや年齢に合わせた遊びができる遊具など、安全で思い切り楽しめる環境を用意したいところです。
また、園庭は保育園の教育理念や個性があらわれやすい場所でもあります。工夫を凝らした園庭を設置すれば、入園希望者へのアピールにもなるでしょう。
この記事では、保育園の園庭を工夫するポイントについて、具体的な事例を交えて紹介します。
保育園の園庭における環境構成とは
厚生労働省が定める「保育所保育方針」では、保育における環境構成について、以下のように記載されています。
「保育の環境には、保育士等や子どもなどの人的環境、施設や遊具などの物的環境、更には自然や社会の事象などがある。保育所は、こうした人、物、場などの環境が相互に関連し合い、子どもの生活が豊かなものとなるよう、(中略)計画的に環境を構成し、工夫して保育しなければならない。」
出典:厚生労働省「保育所保育方針」
保育の環境を構成する要素は、「人的環境」「物的環境」「自然や社会の事象」の3つです。
保育園の園庭を設計する際も、この3つの環境構成要素を意識することが大切です。
保育園の園庭設計で工夫したいポイント
続いては、保育園の園庭設計で具体的に工夫したいポイントをいくつか紹介します。
自然を感じられる
保育園の園庭は、子どもたちにとって一番身近な自然環境です。
自然に触れあえる園庭があれば、季節の移り変わりを感じたり、生き物との出会いがあったり、子どもたちの興味関心の幅が広がっていくでしょう。
例えば、園庭内に金魚が泳ぐ池を作ったり、畑を作って子どもたちに野菜の栽培体験をさせている保育園もあるようです。
生き物探しなどの遊び、金魚への餌やり、野菜の栽培などを通じて、子どもたちが命の尊さや自然を守ることの大切さを学ぶことにもつながります。
探求心や発想力を育む
保育園の園庭に設置する遊具は、子どもたちの探求心や発想力を育むものが望ましいです。
敢えて遊具の数を少なくして、自然素材の木や丘、砂場を遊び場としている保育園もあるようです。
子どもたちは、遊びを考える天才です。
例えば、小さな木箱が一つあるだけで、お店やさんごっこをしたり、電車の運転席にしたりとさまざまな楽しみ方ができるでしょう。
自分の力で遊びを考えたり、工夫したりしながら楽しむことで、自立心も高まります。
友達との関わりがもてる
保育園の園庭は、友達との関わりの場でもあります。
遊具を設置することにもメリットはありますが、広々とした空間を用意して、友達と一緒に走り回れる環境を整えてあげることも大切です。
運動遊びは、心と身体の発達に大きな影響を与えます。
鬼ごっこやかくれんぼ、サッカーやドッジボールなど、友だちと関わり合いながら楽しむ時間を増やすことで、身体能力を高められるのはもちろん、コミュニケーション力や社会性、協調性など、人間関係を育むための基礎を学ぶことにもつながるでしょう。
安全かつ安心して遊べる
保育園の園庭を設計するうえで、絶対に切り離すことができないのが、安全対策です。
子どもたちが安心して遊べるように、園舎からの見通しの良さを意識して、遊具の配置には気を配りましょう。園舎からのスムーズな動線に配慮することも重要です。
なお、小さな子どもたちを安全に遊ばせるためには、熱中症対策も欠かせません。
園庭内に日差しを遮る屋根やテントを置いたスペースを確保するなど、季節に合わせた工夫を施しましょう。
工夫された保育園の園庭4つの事例
ここからは、実際に私たちサイプラス(SAI+)が手がけてきた、工夫された保育園の園庭の事例について紹介します。
敷地の段差を生かした自然の滑り台
こちらの保育園の園庭には、敷地に元々あった起伏を生かした自然のすべり台(丘)を設計しました。
とても広い滑り台で、子どもたちはそこで走ったり、転がったりとさまざまな遊びを楽しむことで、想像力や探究心を育んでいます。
また、園庭の一角には水の流れる川や子どもたち自らが育てる菜園や果樹園もあり、自然と関わり合いながら遊ぶことができる素敵な園庭になりました。
園舎とつながる園庭
こちらは、園舎からの動線を意識して設計された園庭の事例です。
ホールと保育室の両方を園庭に面するように設計し、子どもたちが園庭へすぐに飛び出せるようにしています。
住宅街の一角にある保育園のため、園庭の面積も限られているため、あえて遊具を設置していません。
限られたスペースであっても、子どもたちがのびのびとすごし、自ら行動する事をうながす環境を整えています。
興味・関心・好奇心を育む園庭
こちらの広々とした園庭には、遊具を設置しすぎることなく、子どもたちが自らの好奇心のままに想像力を膨らませて遊ぶことができる環境が整っているのが特徴です。
また、園舎からの動線にも優れており、死角も少ないため、子どもたちは安心してのびのびと遊ぶことができます。
年齢差に配慮された遊具の配置
こちらの園庭では、年齢差のある子どもたちが自然と分かれて遊ぶことができるよう、遊具の配置に工夫がされています。
3〜5歳児の子どもたちに人気なのが、一目見ただけでワクワクする大きな滑り台。園庭のシンボルのような存在になっています。
こちらとは別に、低年齢の幼児向けの滑り台も用意されていて、1~2歳児の子どもたちも安全に遊ぶことが可能です。
また、見晴らしがよく、死角がないように設計されているのもポイントです。
保育園の園庭設計・デザインはサイプラス(SAI+)にご相談ください
保育園の園庭には、子どもたちが自然に触れ合うことができ、探究心や発想力を育みながら遊べる環境が必要です。
もちろん、園庭の設計時には「死角を作らない」などの安全性も配慮しなければなりません。
保育園の園庭設計については、保育園の設計を専門的に手がけている設計事務所に相談しながら進めていくのがおすすめです。
私たちサイプラス(SAI+)は、保育園や幼稚園、認定こども園などの建築実績が豊富な設計事務所です。
「自然を感じられる園庭にしたい」「園庭の広さを生かしたい」など、保育者様や園の代表者様の思いを大切にした設計を提案させていただきますのでご安心ください。
園の個性を反映した園庭の工夫方法についても、ご提案させていただいております。
ぜひサイプラス(SAI+)にお任せください。