はじめに -下米田たからこども園-

このたび、私たちが設計・計画を進めてきた認定こども園が、
岐阜県美濃加茂市にて無事完成いたしました。これまでお施主様と幾度も打合せを重ね、
「つながり」と「感じる」をテーマに構想してきた園舎が、ついにかたちとなりました。
先日開催された内覧会には、地域の方々や関係者の皆様など、
約400名もの方々にご来場いただきました。
多くの方から「こんな園に通わせたい」「子どもがのびのび育ちそう」といった
嬉しいお言葉をいただき、設計者としてこれ以上ない喜びを感じています。
岐阜県美濃加茂市という地での挑戦

今回のプロジェクトは、当社から往復約900kmという遠方での計画でした。
距離的なハードルは決して小さくありませんでしたが、
それ以上に「この場所でしかできない園舎づくり」を実現したいという想いがありました。
現地に足を運び、地域の空気や自然環境、人の流れを体感しながら設計を進めることで、
その土地に根ざした園舎づくりを意識しました。
結果として、単なる建物ではなく、地域と共に育つ“場”としての認定こども園が
完成したと感じています。
コンセプト「つながり」と「感じる」を体現した空間
本園の大きな特徴は、「人・自然・地域・食・生物」とのつながりを
日常の中で自然に感じられる設計です。
園舎の中心には、大きな階段とエントランスホールがあり、そこから地域交流スペースや
多目的スペース、ランチルームに絵本コーナーなどにつながり、子どもたち・保育士・保護者が
自然と交わる空間を創出しました。この場所は、遊び・学び・交流が重なり合う
“園の心臓部”となっています。
また、異年齢の子どもたちが自然に関われるよう、視線の抜けや動線計画にも配慮しています。
小さな子どもが年上の子に憧れ、年上の子が自然と面倒を見る
――そんな関係性が日常の中で育まれる環境を実現しました。

絵本8000冊がつくる、心を育てる空間
当法人が大切にしているのが「絵本教育」です。
本園では、8000冊以上の絵本を活かし、子どもたちがいつでも自由に絵本に触れられる
魅力的な絵本コーナーを設けました。
単に本を並べるだけではなく、子どもが思わず入りたくなるような“居場所”として設計しています。
少しこもれるスペースや、視線の高さに合わせた本棚、読み聞かせが自然に始まるような配置など、
細部まで工夫を重ねています。
絵本は、想像力や言葉の力を育てるだけでなく、
「人の気持ちを感じる力」を育てる大切なツールです。この空間が、
子どもたち一人ひとりの心の成長を支えていくことを願っています。

地域に開かれた園舎づくり
本園では、地域交流スペースを設け、地域の方々が日常的に関われる仕組みを取り入れました。
内覧会でも多くの地域の方が訪れ、「地域に開かれていることが嬉しい」という声をいただきました。
今後はイベントや交流活動を通じて、
園と地域が自然につながり合う拠点となることを目指しています。
子どもたちにとっても、多様な人と関わる経験は大きな学びとなります。

内覧会の様子と反響
内覧会当日は、約400名の方々にご来場いただき、
園内は終始あたたかな雰囲気に包まれていました。
実際に空間を体験された方からは、
- 「こんな園に通わせたい」
- 「遊びの仕掛けや工夫があちこちにあり楽しい」
- 「絵本コーナーがとても魅力的」
- 「開放感があり安心して預けられそう」
といった声を多くいただきました。
設計段階で大切にしてきた想いが、実際の空間として伝わったことを実感できた一日となりました。

お施主様と施工会社様との共創が生んだ“たったひとつの園舎”
今回の園舎は、決して私たちだけで完成したものではありません。
お施主様との丁寧な対話を重ね、一つひとつの想いを形にしていく中で生まれた、
まさに“共創”の結晶です。
また、その想いを確かな技術で形にしてくださった地元の施工会社
株式会社 佐合木材を始めご協力いただいた下請業者の皆様の存在も欠かすことはできません。
細部にまで真摯に向き合い、高い品質で応えていただいたことで、
この園舎の価値はさらに高められました。
打合せを重ねる中で、当初の計画から変化した部分も多くあります。
しかしその一つひとつが、より良い園舎へと進化していくプロセスでした。
その結果として、世界に一つしかない、この場所にしかない認定こども園が完成したと感じています。
まとめ|未来へつながる園舎
岐阜県美濃加茂市に誕生したこの認定こども園は、「つながり」と「感じる」を軸に、
子どもたちの成長を支える場として新たなスタートを切りました。
遠方という条件を超え、多くの方々と共に創り上げたこの園舎には、
数えきれない想いと工夫が詰まっています。
これからこの場所で、子どもたちがどのような発見をし、
どのように成長していくのか――その未来が今からとても楽しみです。
これから既存園舎の解体、園庭整備、外構工事と本当の意味での完成までには
あと1年くらいはかかりますが最後までお客様と一緒に楽しみながら進めていきたいと思います。
私たちはこれからも、一つひとつのプロジェクトに誠実に向き合い、
“人の心を育てる空間づくり”を追求してまいります。

