保育園経営で土地活用!メリットや建設方法、園舎設計のポイントを解説
待機児童の多さが社会問題化しているなか、土地活用のための保育園経営が注目を集めているようです。
そこで今回は、土地活用で保育園経営を始めるメリット、保育園を建設できる土地の条件、園舎設計のポイントなど、保育園経営を検討している方に向けて役立つ情報を紹介します。
注目が集まる「保育園経営×土地活用」
土地活用というと、アパート・マンションや駐車場、コインランドリー経営などが主流ですが、最近は保育園経営を始めたいと考える方も多いようです。
地域ごとに多少の差はあるものの、全国的に待機児童の多さが社会問題となっているため、空いた土地に保育園を建設して経営することで、地域社会への貢献にもつながります。
待機児童の多い地域、保育園需要の高いエリアなら、新たに開業した保育園でも入園希望者を集めやすいため、安定した経営も見込めるでしょう。
ただし、保育園の建設ができる土地には、以下の条件があります。
■避難経路を二方向確保できる
■園児を預かるのに十分な広さの建物を建設できる面積がある
■幅員4m以上の道路に面している
また、認可保育園を経営するには、国や自治体への許認可申請が必要です。
土地活用で保育園を経営するメリット
土地活用で保育園経営に注目が集まるのは、メリットがあるからです。
ここからは、空いた土地で保育園経営を始める3つのメリットについて解説します。
資格が要らない
保育園の経営者になるために必要な資格はありません。
保育士の資格を持っていなくても、保育園経営を始めることは可能です。
実際に、保育士資格がなく、保育業界の経験がない保育園の経営者もたくさんいます。
資格をとる必要がなく、開業までのハードルが低いという点は、土地活用で保育園経営を始めるメリットだと言えるでしょう。
ただし、自治体の認可を受けて保育園を経営する場合、保育園のスタッフには、一定数以上の資格者(保育士・看護師等)を置く必要があります。
補助金を受けられる
認可保育園を経営する場合、運営費用はもちろん、園舎を建設する費用についても、自治体から補助金を受けられるケースが多いです。
園舎の建設には高額の費用がかかるため、補助金等の支援があるなら始めてみようかと考える方もいるのではないでしょうか。
ただし、補助金の制度は自治体によって異なるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。
地域貢献ができる
保育園は、公共性の高い施設です。
そのため、地域貢献を目的として、保育園経営を始めようと考える方も珍しくありません。
空いた土地に保育園を建設して経営することで、地域の待機児童問題の解決に貢献でき、子育て支援事業(園庭開放など)を通じて子どもたちの居場所を提供することもできます。
保育園経営を始めるときに知っておきたいこと
土地活用で保育園経営を始めるにあたっては、情報収集や知識の習得が必要です。
ここからは、保育園経営に興味がある方に向けて、始める前に知っておきたい3つのポイントを紹介します。
保育園を建設する方法
自分で保育園経営を始めるのも良いですが、土地活用が主な目的であれば、保育園経営を行う事業者に貸し出すことも可能です。
その場合、保育園の建設方法には、以下の2パターンが考えられます。
それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、どちらを選択すべきか決定しましょう。
リースバック方式
リースバック方式とは、土地のオーナーが保育園の園舎を建設し、土地と建物をセットで事業者に貸し出すという方法です。
一般的には、保育園を経営する事業者から「建設協力金」を借り入れて、その資金を使って保育園を建設します。
建設協力金は無利子で借り入れることができるので、少ない費用で保育園を建設できるのがメリットです。
建設協力金の返済が必要な点はデメリットですが、土地・建物の賃料で相殺できるでしょう。
自治体からの補助金も出るので、さほど大変ではありません。
事業用定期借地方式
事業用定期借地方式とは、保育園を経営する事業者に土地だけを貸し出す方法です。
保育園の園舎の建設は事業者側が行うため、建設費用を負担する必要はありません。
もちろん、開園に向けた認可手続きなども行う必要はないので、手間がかからないのがメリットです。
また、契約期間は10〜50年の間で設定する事ができ、合計契約期間が50年未満の場合、再契約することなく土地を返してもらうことも可能です。
返還時には、土地を更地にすることを条件に契約することもできるので、土地転用もしやすくなります。
ただし、収入は土地の賃料のみとなるので、経営者として収入アップを目指す方には物足りないかもしれません。
保育園の建設費の相場
保育園の園舎の建設費用は、園舎の規模に左右されます。
園舎の広さは子ども1人あたりに必要な面積が定められているため、保育園の建設費は、子どもの定員に応じて変わります。
独立行政法人福祉医療機構が2020年度に行った調査によると、首都圏での保育園・認定こども園の建設費の1㎡あたりの単価平均は42.4万円です。
また、子どもの定員1人あたりに必要とされる延べ床面積は8.5㎡です。
それらを踏まえると、保育園の建設に必要な費用は、以下のように計算できます。
定員60人の園舎(延べ床面積510㎡)の建設に必要な費用:およそ2億1,600万円
定員100名の園舎(延べ床面積850㎡)の建設に必要な費用:およそ4億2,400万円
もちろん、これはあくまでも相場であり、「こだわった園舎を設計したい」となると、さらに高額の費用がかかることもあるでしょう。
保育園の園舎設計のポイント
保育園の園舎は、子どもたちが安心して過ごせる空間を設計しなければなりません。
例えば、以下のようなポイントは、設計段階からしっかりとこだわる必要があるでしょう。
■安全対策(段差が少ない、滑りにくいなど)
■つながり(保育室同士のつながり、園庭とのつながりなど)
■見守りやすさ(事務所や職員室からの視認性に優れている)
■動線(保育者が働きやすい環境)
園舎設計でこだわるべきポイントについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
保育園・幼稚園・認定こども園の園舎デザインで大事なポイント・アイデアの事例を解説
保育園・幼稚園・認定こども園の安全対策は設計から!施設内設備のチェックポイントも解説
保育園・幼稚園・認定こども園の内装デザインで重視したい5つのこと
土地活用で保育園経営を始めるならサイプラス(SAI+)にご相談ください
土地活用として保育園経営を始めることは、地域の社会問題の解決にもつながります。
特に、待機児童の多い地域に保育園を建設すれば、地域住民に感謝される機会も増えるでしょう。
また、保育園経営に、特別な資格は必要ありません。
土地が条件を満たしていれば、すぐに保育園経営の準備をスタートしていただけます。
リースバック方式で保育園を建設する場合は、園舎の設計もオーナー自らが手がける必要があります。
せっかくなら、子どもたちや保育者にとって過ごしやすい、こだわりの園舎の建設を考えてみてはいかがでしょうか。
私たちサイプラス(SAI+)は、数多くの保育園・幼稚園・認定こども園の園舎を手がけてきた設計事務所です。
安心して使用できる建材選びから、安全対策を踏まえた間取り、遊び心をくすぐる設計まで、経営者様の理想を形にする園舎作りのお手伝いをさせていただきます。
土地活用として保育園経営をお考えの方は、ぜひサイプラス(SAI+)までお気軽にご相談ください。