保育園の建て替え・改修はどちらが良い?違いや補助金について解説
老朽化した保育園の園舎を建て替えるべきか、改修するべきかでお悩みの施設関係者も多いのではないでしょうか。
サイプラス(SAI+)にも園舎の立て替えや全面改修のご相談をいただくことが多々あります。
全面改修が必要な状態の園舎の場合、サイプラス(SAI+)では補助金を活用した建て替えをおすすめするケースが多いです。
この記事では、老朽化した園舎の建て替えについて、改修との違いや具体的な流れを紹介します。
建て替え・改修・改装・修繕の違い
老朽化した園舎を新しくする方法には、以下の4種類があります。
■建て替え
■改修
■改装
■修繕
まずは、それぞれの違いについて説明します。
建て替えとは
建て替えとは、既存の園舎を基礎部分から取り壊して、同じ土地に新たな園舎を建てることです。
保育園の場合、仮園舎や仮テナント物件を用意したうえで、既存の園舎は一度取り壊し、更地の状態から新たな園舎を建てるのが一般的です。
老朽化した園舎を全面的にリニューアルしたい場合、建て替えが適しているケースが多いです。
改修とは
改修とは、耐震強度を高めたり、バリアフリー化を進めたりなど、建物の一部をグレードアップする工事のことです。また、老朽化した床や階段、水回りなどを部分的に新しくする工事も、改修にあたります。
建て替えとは異なり、既存の園舎を残したまま部分的な工事が行われるのが一般的です。
そのため、仮園舎や仮テナント物件を用意するなど、保育園の運営を継続するための準備は必要ないケースが多いです。
改装とは
改装とは、建物の間取りや仕様を変えることなく、内装や外装を新しくする工事のことです。壁紙を張り替えたり、剥がれたペンキを塗り替えたりなど、見た目を大きく変える工事が改装にあたります。
改装も部分的な工事なので、既存の園舎を取り壊す必要はありません。
修繕とは
修繕とは、建物内で不具合が生じている部分を建設当初の状態に戻す工事のことです。
経年劣化や雨風などの外的要因によってひび割れてしまった壁を修繕したり、雨漏れを直したりする工事が、修繕にあたります。
工事のために園舎を取り壊す必要はありません。
園舎の半分以上が対象となる場合は大規模修繕と呼ばれ、1~2年間かけて行われることもあります。
老朽化した保育園は改修よりも建て替えが良い
「既存の保育園を全面的にリニューアルしたい」というご相談をいただく場合、サイプラス(SAI+)では、改修よりも建て替えをおすすめすることが多いです。
ここからは、全面改修よりも建て替えのほうが良い理由を3つ紹介します。
既存の保育園を立て替えるか、全面改修するかで迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
改修では安全性の確保が難しい
園舎そのものの老朽化が激しい場合や、旧耐震基準(1981年6月1日以前)で建てられた築40年以上の園舎の場合、改修工事のみでは安全性の確保が難しいケースがあります。
園児たちが安心して過ごせる保育園にするには、耐震性と強度を備えた園舎に建て替えるほうが良いでしょう。
保育園に求められる安全対策については、以下の記事もぜひご覧ください。
保育園・幼稚園・認定こども園の安全対策は設計から!施設内設備のチェックポイントも解説
改修では要望を満たせない
全面リニューアルに何を期待するかは保育園ごとに異なるものの、改修工事のみではご要望にお応えできないケースもあります。
また、建物の構造や敷地上の制約により改修工事ができないケースも珍しくありません。
全面改修よりも建て替えるほうが、保育園が理想とする園舎を実現できる可能性は高いと言えます。
補助金を利用できる
立て替えよりも改修のほうが費用を抑えられるとお考えの方も多いと思いますが、保育園の園舎を全面改修するとなれば、それなりの費用がかかります。
一方で、建て替えであれば「保育所等整備交付金(就学前教育・保育施設整備交付金)」を利用できるかもしれません。
保育所等整備交付金(就学前教育・保育施設整備交付金)とは、「保育所、認定こども園又は小規模保育事業所の新設、修理、改造又は整備に要する経費」を国が交付する交付金です。
自治体によっては、上乗せした給付が行われるケースがあります。
上手に活用すれば、建て替えにかかる費用負担を抑えて、理想の保育園を建設できるでしょう。
保育園を建て替えるときの流れ
保育園の園舎を建て替える工事は、以下のような流れで進めるのが一般的です。
補助金の申請
保育園の建て替えを決めたら、まずは自治体に補助金の申請を行いましょう。
補助金の申請時期が決まっている可能性もあるため、1年半〜2年ほど前の早い時期から情報を調べておくことをおすすめします。
仮園舎の建設または仮テナント物件を探す
建て替えの場合、既存の保育園の園舎は取り壊すことになります。
そのため、子どもたちを預かるための仮園舎・仮テナント物件を用意しなければいけません。
土地に余裕があればプレハブ等の仮園舎を建設することができます。
そうでない場合は、仮テナント物件を探しましょう。
ただし、既存の保育園から離れすぎていると、保護者や園児が通いにくくなってしまうため、注意が必要です。
サイプラス(SAI+)では、できる限り園舎の敷地内に仮園舎を建てる方法をおすすめしています。
実際に、既存の園舎の一部を解体せずに残し、仮園舎として利用した事例もあります。
施工会社の選定
仮園舎の目処が立ったら、次に施工会社を選定します。
補助金を利用して保育園を新規開業する場合は入札になりますが、建て替えの場合は特定の会社を指名できるというメリットがあります。
ただし、保育園の園舎は、建築基準法や児童福祉法などの基準を満たして建設しなければならないため、どの施工会社でも良いというわけではありません。
基本的には、保育園や認定こども園の園舎を専門的に手がけている施工会社を選ぶことをおすすめします。
ホームページ等で園舎の建築事例を確認できれば、新園舎のイメージも固めやすいでしょう。
建て替え工事
施工会社との契約が成立したら、いよいよ建て替え工事がスタートします。
保育園の規模にもよりますが、園舎の立て替え工事期間の目安は6〜8ヶ月程度です。
工事のスケジュールについては、事前に施工会社の担当者としっかり打ち合わせをしましょう。
保育園の建て替え・改修はサイプラス(SAI+)にご相談ください
老朽化した保育園の園舎を全面的にリニューアルするなら、建て替えを検討することをおすすめします。
一度更地にしなければならないため、仮園舎が必要にはなりますが、耐震性や安全性を備えた理想的な園舎を建築できるというメリットがあります。
もちろん、仮園舎を建てずに建替えできないかということも最初に検討させて頂きます。
私たちサイプラス(SAI+)には、安全性やデザイン性にこだわった保育園の園舎を数多く手がけてきた実績がございます。
また、園舎の設計に関しては、実際の保育者の皆様や園の責任者様との打ち合わせを重ねながら進めることを大切にします。
園舎の建て替えは、ぜひサイプラス(SAI+)にご相談ください。