ノンコンタクトタイムとは?メリット・デメリット、実践のポイントを解説
保育の現場で注目されている「ノンコンタクトタイム」は、保育者と子どもが一定の時間を分かれて過ごす取り組みです。
国が推進する新たな保育スタイルの一つでもあり、保育士の負担軽減や子どもの自主性の育成など、さまざまなメリットが期待されています。
この記事では、ノンコンタクトタイムとは何か、導入するメリット・デメリットや実践のポイントを解説します。
ノンコンタクトタイムとは
ノンコンタクトタイムとは、通常の連続した8時間の勤務時間内において、休憩時間とは別に、保育者が子どもと物理的に離れて各種業務を行う時間のことを指します。
実際に、保育時間が短い幼稚園では、教諭がノンコンタクトタイムを確保しやすく、保育計画の策定や教材の準備などの業務を効率的に行えます。
一方、保育士は子どもの保育時間が長いため、最低限の事務作業すら困難な状況にあるのが現状です。
そのため、ノンコンタクトタイムを保育業界で導入する取り組みが注目されているのです。
ノンコンタクトタイムを導入するメリット
ノンコンタクトタイムの導入は、保育の現場に多くのメリットをもたらし、保育士と子どもたち双方にとって良い環境をもたらします。
ここでは、保育にノンコンタクトタイムを導入する具体的なメリットを3つ紹介します。
保育のチーム力向上
多くの子どもを一度に見る保育園では、保育士同士の協力が必要です。
ノンコンタクトタイムを設けることで、その時間帯は管理職や他のクラスの保育士が受け持ち、自然と協力体制が強化されます。
これにより、互いを支え合う意識が生まれ、保育のチーム力が向上するでしょう。
保育の質の向上
質の高い保育園には、自然と保育士が集まります。
そのような保育園にするためには、一人ひとりの子どもの個性を大切にする「子ども理解」について、保育士同士が語り合える環境を整えることが重要です。
ノンコンタクトタイムを設けることで、保育内容を振り返る時間や保育士同士の話し合いの場が生まれ、保育の質を高めることにつながります。
保育士のやりがいが向上する
ノンコンタクトタイムは、保育士が子どもと離れて業務に集中できる時間を提供します。
これにより、残業や持ち帰り仕事の負担が軽減され、働きやすい環境が整います。
保育士一人ひとりの負担が減ると、心身の状態に余裕が生まれます。
仕事へのモチベーションが向上し、やりがいを感じやすくなるでしょう。
ノンコンタクトタイムのデメリットや課題
ノンコンタクトタイムの導入には多くのメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットや課題も存在します。
具体的には、以下のようなことが懸念されています。
■子どもの安全が確保されるのか
■子どもの様子が把握できなくなる
■保育士不在時のトラブル対応
■保育士が不足しているなか、逆に業務負担が増えるのではないか
■スタッフの効果的な配置が難しい など
このような懸念事項は、確かにノンコンタクトタイムのデメリットと言えます。
しかし、これらの課題は保育支援者の採用やICTの活用など、適切な対策を講じることで解決が可能です。
ノンコンタクトタイムが確保できる園の体制を作ることは、子どもたちにはもちろん、保育士にとっても魅力ある保育園であることを示すことになります。
保育士が安心して働ける職場であることをアピールすることで、優秀な人材の確保にもつながるでしょう。
ノンコンタクトタイムを実践するポイント
ノンコンタクトタイムを効果的に実現するためには、保育士の勤務・サポート体制を整えることが重要です。
ここでは、ノンコンタクトタイムを実践するためのポイントを4つ紹介します。
保育支援者を採用する
ノンコンタクトタイムの導入には、適切な人員配置と役割分担が欠かせません。
一部の保育士が子どもたちの見守りや監視を行い、その間に他の保育士が事務作業に集中できるようにします。
保育士の人数が不足している園では、児童福祉法の配置基準を守りつつ、短時間勤務の保育士や保育補助者を採用することが求められます。
ノンコンタクトタイムスペースを設置する
ノンコンタクトタイムを実践するには、保育士が集中して業務に取り組める専用のスペースを設置することも重要です。
このスペースは単なる事務所ではなく、保育内容の振り返りや保育士同士の話し合いがしやすいリラックススペースにすると良いでしょう。
サイプラス(SAI+)では、ノンコンタクトタイム導入のために、保育士の休憩スペースをカフェ風に設計した実績もあります。
保育業務にICTを活用する
ノンコンタクトタイムの実践にあたっては、保育業務にICTを導入することが有効です。
スマートフォンやタブレット、パソコンを活用した電子システムは、手作業で行っていた個人記録や保育日誌の記入作業を大幅に効率化できます。
保護者や園児に向けた書類は手書きとし、その他の業務は電子システムで行うことで、事務作業にかかる負担を軽減できるでしょう。
補助金を活用する
厚生労働省が推進するノンコンタクトタイムに関連し、各保育施設にはさまざまな補助金制度が用意されています。
ノンコンタクトタイムの導入に活用できる代表的な補助金制度は、以下の3つです。
保育体制強化事業 保育支援者の採用に対する補助金
保育所等整備交付金 ノンコンタクトタイムスペースの改修費に対する補助金
保育所等におけるICT化推進等事業 ICTの導入に関する補助金
保育園は補助金制度を活用することで、ノンコンタクトタイムの導入が実現性の高いものとなり、質の高い保育環境を提供できます。
保育環境が向上するノンコンタクトタイムスペース・補助金はサイプラス(SAI+)にご相談ください
ノンコンタクトタイムの導入は、保育士の業務負担を軽減するだけでなく、保育士同士の情報共有を円滑にし、子どもたちに質の高い保育を提供するための環境作りにも役立ちます。
ノンコンタクトタイムを効果的に実践するためには、保育士が集中して業務に取り組めるスペースの確保が不可欠です。
私たちサイプラス(SAI+)は、保育園や認定こども園などの園舎設計を専門に手がける建築設計事務所です。これまで、保育士用の休憩スペースをカフェ風に設計し、フレキシブルな使い方ができるノンコンタクトタイムスペースを提供してきた実績があります。
デザインや機能性だけでなく、安全性にも十分に配慮し、園の代表者様や保育者の方々のご希望に沿った設計を行います。
さらに、サイプラス(SAI+)では補助金に関するご相談も承っております。
保育環境の向上を目指して、ノンコンタクトタイムスペースの導入や改修を検討されている保育園の皆様、ぜひ私たちサイプラス(SAI+)にお任せください。
私たちの専門知識と経験を活かし、質の高い保育環境の実現をサポートいたします。