認定こども園 蒲原学園幼稚園

既存棟とつながり、園庭とつながる新園舎

<背景>

約1750㎡ほどの敷地に、複数棟の園舎がある歴史のある園さんです。うち1棟が老朽化の進んだ木造の3歳児~5歳児の幼児棟でした。

この幼児棟を新しく建て替えるため、園庭だった場所に新園舎を、旧園舎の場所を園庭にするという計画でした。

仮設園舎を建てる事なく、既存の他の棟を使いながら、如何に新しい園舎を建てるかがポイントとなりました。

<コンセプト>

既存棟とつながり、園庭とつながる新園舎という事をコンセプトにしています。

このため動線の合理的な活用と敷地の効率的な活用という2点がポイントとなりました。

<つながりのある場所づくり>

まず既存棟と園庭とのつながりを創り出すため、1階の廊下をなくしました。

設計上園庭に面する側に廊下が欲しい状況でしたが、園庭側ではない別の側面に既存棟から直接アクセス

できる経路を確保し、また1階はホールとしての利用という事もあって、廊下をなくすことが出来ました。

廊下をなくすことで園庭とホールが一体的に使えるようになり、開放的でつながりのある空間になりました。

<機能を兼用した場所づくり>

また、敷地の効率的活用については、既存の園庭内という限られた場所の中に計画する事から、

外部階段を使って直接2階へアクセスできる工夫をすると共に、

園庭側にある廊下を、遊びの場や、読書の場、園庭の観覧席ともなるように、

他の機能を兼用する工夫をする事で、多機能な廊下になりました。

<エピソード>

長い歴史のある幼稚園さん(現在は認定こども園化されています)ですので、旧園舎はたくさんの歴史がつまっていました。

解体の前に開かれた旧園舎の「お別れ会」には卒園された方や卒園児なども参集し、園舎への想いを感じる事が出来ました。

また、旧園舎の思い出として、旧園舎の腰壁材を解体時に保管しておき、新園舎のステージの壁に利用しました。

新しい園舎はちょうど旧園舎の跡地を見渡せるように建ち、思い出も感じられる園舎です。

<建物概要>

所  在  地 静岡県静岡市清水区
主要用途 幼保連携型認定こども園
敷地面積 1,748.34㎡

建築面積 349.83㎡
延床面積 648.04㎡
構  造 鉄骨造
階  数 地上2階建
工事種別 新築(敷地内増築)