保育園や幼稚園・認定こども園では、子どもたちが楽しく過ごすための工夫が随所に施されており、「壁面装飾」もその一つです。壁面に子どもたちが喜ぶキャラクターや季節に合わせた装飾をしていたり、装飾以外のアイデアを取り入れている保育園・幼稚園・認定こども園もあります。
ここでは、保育園・幼稚園・認定こども園の壁面構成について、アイデアの事例や壁材選びのポイントを解説していきます。
保育園・幼稚園・認定こども園の壁面構成とは
保育園や幼稚園・認定こども園の壁面には、保育士・幼稚園教諭が手作りした掲示物が多数貼られ、教育や遊びのための空間を彩っています。
保育業界において、壁面のデザインは「壁面構成」や「壁面装飾」と呼ばれており、幼稚園教諭・保育士を養成するための学校等でも、専門の授業が設けられるほど重要視されています。
また、保育園・幼稚園における壁面構成には、単なる「彩りを添える」という目的だけではなく、「教育」や「遊び」の目的も含まれています。
一般的には、季節に合わせた園児の作品や、クラスのお友達の誕生日、保育者による手作りのキャラクター装飾などが行われているケースが多いです。
保育園・幼稚園・認定こども園の壁面装飾・掲示の種類
続いては、保育園・幼稚園における壁面装飾・掲示の種類や具体例、それぞれの目的について解説します。
お当番表や給食の献立
保育園・幼稚園の壁面には、お当番表や給食の献立など、情報を伝えるための掲示物が貼られています。
他にも、以下のようなものを掲示している園が多いです。
・1日の流れ(タイムスケジュール)
・座席表
・バスコース
・園の理念
・園での約束
・座席表
お誕生日表
クラスごとに、お友達の誕生日を一覧にして掲示している園も多いです。
お誕生日表は一年を通して掲示することができ、月によって装飾を変えることで、季節感を演出できます。
誕生月の園児に自画像を描かせて掲示するのも面白いでしょう。
保育園・幼稚園・認定こども園の壁面にお誕生日表を掲示することで、子どもたちが友達の存在を認識しやすくなります。
また、毎月お誕生日会を行えば、友達をお祝いする気持ちを養うことができるでしょう。
季節の装飾
子どもたちが作った季節ごとの作品を、壁面装飾として掲示している保育園・幼稚園・認定こども園もたくさんあります。
例えば、4月は桜、5月は鯉のぼり、6月はカタツムリ…など、月ごとに季節感のある壁面構成になり、子どもたちにとっても楽しい制作になるでしょう。
行事・イベント
保育園・幼稚園・認定こども園の年中行事や園でのイベントに合わせた壁面装飾もおすすめです。
例えば、5月の端午の節句や7月の七夕、10月のハロウィン、12月のクリスマスなどは定番になるでしょう。
また、運動会やお遊戯会など、園でのイベントに合わせた壁面構成にすることで、子どもたちのワクワクする気持ちを引き出すことができます。
園児の作品
保育園・幼稚園・認定こども園の壁面構成において、幼稚園教諭や保育士の作品だけを掲示しているというケースは少ないかもしれません。
何らかの形で園児の作品を掲示している園が多く、「保育者の作成した装飾の一部に、園児の作品を取り入れた」ものを掲示しているケースもあれば、普段の保育時間の中で「園児が何気なく描いた作品」を提示しているケースもあるようです。
自分の作った作品が壁面に飾られていると、園児たちも登園するのが楽しみになるでしょう。
世界地図・国旗
教育や学習を目的とした壁面構成を行う保育園・幼稚園・認定こども園も少なくありません。
世界の国旗やアルファベット表、あいうえお表などは、保護者参観や入園希望者への説明会時のアピールにもつながります。
もちろん、子どもたちにとっても、文字や国旗に自然と触れることができるのは良い刺激となるでしょう。
保育園・幼稚園・認定こども園の壁面装飾以外のアイデア
保育園や幼稚園・認定こども園の壁面構成を考えるうえで、検討すべきは掲示物などの装飾だけではありません。
子どもたちが楽しく園生活を送るために、壁面にちょっとしたアイデアを取り入れてみてはいかがでしょうか。
続いては、私たちサイプラス(SAI+)が手がけてきた事例とともに、壁面構成における装飾以外の具体的なアイデアを紹介します。
お絵描きができる壁
お絵描きができる壁は、栃木県鹿沼市にある、保育園「大地の恵みのなーさりぃ」様の事例です。
園舎内の壁に、落書きのできる大黒板を設置しています。
広いキャンバスに「描いては消して」を繰り返すことで、子どもたちの創造性が育まれています。
ボルダリングの壁
ボルダリングの壁は、埼玉県川口市の「はちまんぎ保育園」様の事例です。
園舎には、ボルダリングが楽しめる「探検のみち」というスペースがあります。
下にはマットが敷いてあり、子どもたちが安心して体を動かしながら遊ぶことができる人気の場所です。
思い出の壁
園舎の建て替えをお考えなら、ぜひ参考にしていただきたいのが、静岡県静岡市の認定こども園「蒲原学園幼稚園」様の事例です。
長い歴史を誇る幼稚園だったので、旧園舎にはたくさんの思い出が詰まっていました。
そこで、解体の前には旧園舎の「お別れの会」を開き、卒園児や過去に卒園された方に
集まって園舎の壁に手形を残していただきました。
また、園舎に使われていた「腰壁の板材」を、新園舎のステージの裏の壁の一部に利用させていただいたのです。
この先も長きに渡って旧園舎の思い出を感じられる、温かみのある壁面が完成しました。
保育園・幼稚園・認定こども園に適した壁材の選び方
保育園・幼稚園・認定こども園の園舎を建設する際は、機能性にこだわった壁材を選ぶ必要があります。
そこで続いては、壁材を選ぶときに重視すべき機能性を4つ紹介します。
傷や汚れに強い
保育園・幼稚園・認定こども園の園児たちは、クレヨンや水性ペン、絵の具などでお絵描きを楽しみます。
時には、壁にいたずら書きをしてしまうこともあるでしょう。
特に、油分の多いクレヨンや油性マジックなどが壁に付着してしまった場合、落とすのは意外と大変です。
園舎の壁材は、汚れが落ちやすいものを選ぶことをおすすめします。
また、園児が投げたおもちゃが当たったり、追いかけっこをしている園児が体当たりしたりして、壁に傷が入ってしまうこともあるでしょう。
できるだけ傷がつきにくい素材を選ぶのもポイントです。
防音効果がある
多くの保育園・幼稚園・認定こども園にはアップライトピアノや電子ピアノがあるため、防音性が高い壁材を選ぶことをおすすめします。
子どもたちの歌声や楽器の音ができるだけ外部に漏れないよう、壁の中に遮音材を入れると良いでしょう。
特に、住宅街にある保育園・幼稚園の園舎の壁材を選ぶときは、防音性を重視しましょう。
調湿性能がある
子どもたちが季節を問わずに快適に過ごせる園舎を建てるには、壁材の調湿性能もチェックしたいポイントです。
調湿性能とは、湿度が高いときには空気中の湿気を吸い込み、湿度が低くなると溜め込んだ湿気を吐き出してくれる性能のことです。
調湿性能に優れた壁材を使用することで、心地の良い湿度が保たれ、光熱費を削減することにもつながります。
火に強い不燃素材
万が一のケースを想定して、あえて火に強い不燃素材を採用する保育園・幼稚園・認定こども園も増えています。
保育園・幼稚園・認定こども園でも火災が発生し、園舎が全燃したという事例はゼロではありません。
特に、調理室を有する場合は注意が必要です。
不燃材料には、建築基準法で定められた「内装制限」「20分間燃焼しないもの」「避難上有害な煙またはガスを発生しないもの」といった定義がありますが、内装制限等がかからない場合においても、
子どもたちと保育者の安全を確保するため、不燃素材の採用を検討してみはいかがでしょうか。
保育園・幼稚園・認定こども園の壁材・設計はサイプラス(SAI+)にご相談ください
保育園・幼稚園・認定こども園の園舎を設計するうえで、壁面構成を考えることは重要なポイントです。
掲示物や季節の装飾はもちろん、黒板やボルダリングなど、子どもたちがのびのびと楽しめる壁面アイデアを取り入れてみてください。
私たちサイプラス(SAI+)は、数多くの保育園・幼稚園・認定こども園の園舎を手がけてきた設計事務所です。実際の保育者の皆様や、園の責任者様との対話を大切にし、理想の園舎を造り上げるお手伝いをさせていただきます。
壁材の選び方のアドバイスや、遊び心あふれる設計の提案も行っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。