保育園の改修はいつする?時期や流れ、補助金について解説
保育園の園舎は、償却資産の評価に用いる耐用年数や老朽化の実態に応じて、改修工事が必要です。園舎の改修にあたっては、保育対策総合支援事業費補助金など、各自治体の補助金を活用できる場合もあります。
この記事では、保育園の改修について、時期・タイミングの目安、工事の流れ、費用や補助金制度について解説します。
保育園を改修する時期・タイミング
保育園を改修する時期・タイミングを見極めるうえで、1つの指標となるのが「法定耐用年数」です。
法定耐用年数とは、税務上の概念で、償却資産の評価に用いる耐用年数を指します。
保育園の園舎における法定耐用年数は、建物の構造によって異なります。
例えば、RC造(鉄筋コンクリート造)なら47年、木造なら22年です。
法定耐用年数を超えた建物がすぐに使えなくなるわけではないものの、老朽化の目安になるでしょう。
保育園の園舎は、子どもたちが毎日過ごす場所です。
築年数が古い保育園園舎の場合、耐震性や耐火性などが現在の建築基準に達していない可能性もあります。
「まだ使えるから」と老朽化した園舎をそのままにしておくよりも、法定耐用年数を目安として、建物の機能と性能を維持するための改修工事を行うことをおすすめします。
保育園改修工事の基本的な流れ
続いては、保育園改修工事の基本的な流れを説明します。
仮設園舎を建設
改修工事の間、旧園舎は使用できなくなりますが、保育園を休園するわけにはいきません。
そのため、保育園の改修工事は、工事期間中に子どもたちが過ごすための仮設園舎を建設するところから始まります。
園の敷地内にスペースがある場合は、そこにプレハブ等の仮設園舎を設置するのが一般的です。
園の敷地内に仮設園舎を建設するスペースがない場合は、できるだけ園に近い場所でテナント物件を探す、既存の園舎の一部を仮設園舎として利用するなど、対応方法を検討しましょう。
サイプラス(SAI+)では、できる限り園舎の敷地内に仮設園舎を建設することをおすすめしています。
実際に、既存の園舎の一部を解体せずに残し、仮設園舎の替わりとして利用した事例もございます。
仮設園舎の建設方法についても、お気軽にご相談ください。
旧園舎の改修工事
仮設園舎が完成したら、いよいよ旧園舎の改修工事がスタートします。
改修工事の内容としては、以下のようなものが挙げられます。
壁紙の張り替え
天井の張り替え
床の修繕
空調設備の入れ替え
証明の入れ替え
床暖房の導入
トイレの洋式化
給食調理室の設備入れ替え
手洗い設備の入れ替え
外壁の塗り替え
園舎の改修工事は老朽化した園舎を修繕するのが目的ですが、せっかくなら子どもたちがより快適に過ごせる保育園に生まれ変わらせたいですよね。
壁紙や天井を張り替える際に子どもたちの探求心や遊び心を刺激する工夫をしたり、床の修繕では床暖房を導入したり、どのような工夫ができるかは事前に検討しておきましょう。
保育園の改修工事にかかる工事期間は、工事内容に大きく左右されます。
一部設備を入れ替えるだけなら数週間で済むこともありますが、大規模な改修を行う場合や園舎全てを建て替える場合は、6〜8ヶ月の工事期間が想定されます。
工事期間中は子どもたちの園庭遊びやプール遊び等が制限されてしまうこともあるので、実際のスケジュールについては、事前に建築業者と打ち合わせをしておくことが大切です。
「夏休み期間をうまく利用したい」「できるだけスピーディーに工事を進めてほしい」など、希望はしっかりと伝えておきましょう。
仮設園舎を解体
改修工事が終了したら、仮設園舎を解体します。
解体工事期間は、1〜2ヶ月が目安です。
その期間は、園庭での活動が制限される可能性もあるため、安全性に留意して保育を行いましょう。
また、別の場所でテナント物件を仮設園舎としていた場合には、賃貸契約を解約するなど、必要な手続きを済ませなければなりません。
園舎の引っ越しにも時間がかかるため、余裕を持って対応する必要があります。
保育園改修工事費の目安と補助金
保育園の改修工事にかかる費用は、規模によって大きく異なります。
例えば、定員60人程度の保育園の場合、改修工事にかかる費用は8,000万円程度が目安となるでしょう。
規模が大きくなれば、1億円を超える費用がかかることもあります。
改修工事は、園の金銭的な負担が大きくなるため、補助金制度をうまく活用するのがおすすめです。
例えば、以下のいずれかの条件を満たす場合には、「保育所等改修費等支援事業」による補助金の交付を受けることができます。
賃貸物件を活用して保育所等(小規模・家庭的保育施設含む)を設置する
幼稚園において長時間預かり保育を実施する
認可外保育施設が認可保育所等の設備運営基準を満たすために必要な改修を行う
ほかにも、保育所等整備交付金(就学前教育・保育施設整備交付金)が交付されるケースもあります。
交付金の詳しい内容や金額、受給できる条件などは自治体にお問い合わせください。
なお、補助金や交付金の申請時期は、あらかじめ決まっているケースもあります。
すぐに受給できるわけはないため、早めの準備が必要です。
保育園改修工事はサイプラス(SAI+)にご相談ください
保育園の園舎を子どもたちが安心して過ごせる場所にするには、法定耐用年数を1つの基準とした改修工事を行うことをおすすめします。
しかし、改修工事には高額の費用がかかるため、園の負担が大きくなるでしょう。
そのため、保育園の改修工事は、園が希望する予算やスケジュールに合わせたプランを提案してくれる信頼できる設計事務所に依頼することが大切です。
私たちサイプラス(SAI+)は、保育園や認定こども園などの園舎設計を専門的に手がける建築設計事務所です。
園の代表者様や保育者の方々など、実際に働く方との対話を大切にしており、ご希望に沿ったプラン設計をさせていただきます。
デザインや機能性も含め、子どもたちが過ごしやすい園舎の設計も得意です。もちろん、安全性にも十分に配慮し、工事を進めさせていただきます。
保育園の改修工事は、ぜひ私たちサイプラス(SAI+)にお任せください。