子どもたちが楽しく快適に過ごせる園舎の建設や、建物への入居などを考えるなら、内装デザインにもこだわることが大切です。また、保育園の内装デザインは国の基準を遵守する必要があり、完全に自由な設計が叶うわけではありません。
ここでは、保育園の内装デザインで押さえるべき基準、重視すべきポイントや業者選びのコツについて解説していきます。
保育園の内装デザインで押さえるべき基準
まずは、国が定める「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」から、保育園の内装デザインで押さえるべき基準を見ていきましょう。
<部屋・設備の名称>: 要件・用途 :備考
<乳児室>:ほふく室 2歳未満の子どもを保育する場合に必要 (乳児室)
1人あたり1.65㎡以上(ほふく室):はいはい
1人あたり3.3㎡以上:歩ける
<保育室>:遊戯室 2歳以上の子どもを保育する場合に必要 1人あたり1.98㎡以上
<医務室> :体調不良の子どもを休ませるための部屋
<便所> :保育年齢に合ったサイズのもの
<調理室 >:給食やおやつを準備するための部屋 外部業者に委託する場合は不要
<屋外遊戯場> :外遊びのためのスペース 近所の公園や神社の境内などで代替可能
保育園の内装デザインでは、非常階段や警報機の設置など、上記以外にも細かい基準が定められています。
また、国の基準以外に自治体による基準が設けられているケースもあるので、注意が必要です。
幼稚園との違い
保育園と幼稚園では、管轄省庁や対象者、関連する法令が異なります。
例えば、保育園が0歳からを保育対象者としているのに対し、幼稚園に通えるのは3歳児からです。保育時間や配置職員数の基準にも違いがあります。
園舎の内装についても基準が異なります。
保育園の場合は、人数ごとに規定されていましたが、幼稚園は1学級80㎡、2学級は320㎡、3学級以上は1学級につき100㎡増という基準があり、学級ごとの規定となります。さらに基準を満たす園庭の面積も必須となります。
また、幼稚園は文部科学省管轄の「教育のための施設」であるのに対して、保育園は厚生労働省管轄の「児童福祉の施設」です。
保育園は子どもたちが長い時間生活を行う場所でもあるため、内装デザインにもそれなりの工夫が必要になります。
保育園の内装デザインで重視したい5つのポイント
続いては、保育園の内装デザインで重視すべき5つのポイントについて解説します。
体を動かせる環境
保育園は、園庭がなくても近所の公園や神社に遊びに行ければ良いとされています。
しかし、実際には保育園の園庭の広さや、室内で思い切り遊べる運動施設があるかどうかを重視する保護者は少なくありません。
そのため、保育園の内装デザインは、子どもたちが安全に走り回ったり、暑い季節には水遊びをしたり、大人が見守る空間で木登りができたりなど、体を動かせる環境づくりを重視して考えると良いでしょう。
子どもがワクワクする空間
子どもたちが楽しく通園してくれる保育園を目指すには、ワクワクするような空間が必要です。
小さい子どもたちでも安全にどろんこ遊びができる中庭や、落書きができる壁など、自由に楽しく遊べる空間を造ってあげましょう。
また、意外にも子どもたちに人気なのが、「せまい」空間です。
園舎は、自宅と違い、ほとんどの場所が広く確保されています。
そのようななかで、かくれんぼができるようなせまい空間があると、そこが子どもたちにとって落ち着ける場所になり、ワクワクする場所にもなるのです。
安全に過ごせる環境
保育園には、2歳未満の小さな園児も在籍します。
そのため、保育園の内装デザインでは、安全性を重視することが最も重要です。
園舎はもちろん、園庭についても、保育者の導線がスムーズで、目が行き届きやすい配置にすることを意識しましょう。
明るく解放感のある空間
園舎のなかでも、特に明るさや開放感を大切にしたい場所が、ランチルームとトイレです。
楽しく食事をとる、自分から進んで排泄に行くというのは、子どもたちが生きていくために必要不可欠な力となります。
幼稚園とは違い、1日のうちの長い時間を過ごす保育園だからこそ、子どもたちの基本的な生活習慣をしっかりサポートしてあげましょう。
また、園舎内が明るいと、自然と保育園に流れる空気も明るくなります。
保育園の内装デザインでは、自然の光を取り入れ、暖かい気持ちで過ごせる園舎造りを目指しましょう。
つながりがある空間
0歳児〜5歳児まで、幅広い年齢の子どもたちが在籍する保育園では、「つながり」を大事にできる空間が求められます。
例えば、廊下をなくして一体空間を作り出し、そこを遊び場として活用してみてはいかがでしょうか。回遊性が上がり、室内でもしっかり運動量を確保することができます。
保育園の内装工事業者を選ぶコツ
保育園の内装を変更したい、新しい園舎を増設したい、テナント形式で既存建物に入りたいなどの場合、どのような工事業者を選ぶべきなのでしょうか。
続いては、保育園の内装工事業者を選ぶコツ、確認して欲しいポイントを解説します。
保育園デザインの実績が豊富
保育園の園舎は、国の基準を満たす安全なものでなければなりません。
そのため、保育園内装デザインの実績が豊富な設計者や業者を選ぶようにしましょう。
すでに実績のある設計者や工事業者であれば、保育園特有の基準や工期遅れが許されないことを理解しているため、大きなトラブルにつながる可能性は低いと言えます。
とにかく話を聞いてくれる
保育園の園舎は、子どもたちや保育者の目線で造られるべきです。
そのため、図面をそのままつくるような業者さんではなく、設計の意図や園長や先生の希望をしっかりと汲み取ってくれる内装工事業者を選びましょう。
私たちサイプラス(SAI+)でも、お客様とともに創る「共創」という考え方を大切にし、園と業者さんとの調整をしながら進めていきます。
安全第一で考えられる
保育園の内装は、子どもたちの安全第一で設計する必要があります。
デザインや機能性ももちろん大切ですが、まずは安全性を重視した工事であることが重要です。
あらゆる立場で考えられる
園児自身、保護者、保育者、園長など、立場が変わると視点も変わってきます。
例えば、保育者の場合は、どうしても自分の立場で理想の園舎を思い描いてしまうでしょう。
保育園の内装デザインは、実績のある設計者に相談しながら決めていくのがおすすめです。
希望をしっかりと伝えたうえで、工事業者の意見を取り入れることで、園児が楽しく過ごせる、保護者は安心して預けられる、保育者や園長にとっても使いやすいという理想に近い内装デザインが実現するでしょう。
防犯・セキュリティ面も考慮してくれる
近年重視すべきだと考えられているのが、防犯やセキュリティ面です。
保育園を豊富に手がける設計事務所なら、安全管理の視点からも優れた内装デザインを提案してくれるはずです。
保育園の内装デザインはサイプラス(SAI+)にご相談ください
保育園の内装デザインは、国が定める基準に沿って考えなければなりません。
また、内装デザインが建築基準法を満たすことはその前の段階です。
そのため、保育者さんや園長など、保育園のスタッフのみで考えるのは容易なことではないでしょう。まずは、実績豊富な専門設計者に依頼をして、理想の園舎について話し合いながら具体的に決めていくのがおすすめです。
もちろん、理想の園舎の具体像が決まっていないという方でも大丈夫です。
私たちサイプラス(SAI+)は、実際に保育者の皆様との打ち合わせの中でどんな園舎を設計したいのか、理想を引き出しながら内装デザインを提案いたします。
子どもたちも保育者も双方が過ごしやすい園舎の設計、内装デザインは、ぜひサイプラス(SAI+)にご相談ください。