企業主導型保育園とは?導入するメリット、助成金について解説
企業における子育てと仕事の両立支援の一環として、「企業主導型保育園」への注目が高まっています。従来の認可保育園とは違う新しい形態で、子育てをしながら働く労働者のニーズに応えるとともに、地域の待機児童解消にも役立つ取り組みです。
この記事では、企業主導型保育園とは何か、企業が導入を検討するメリットや助成金について解説します。
企業主導型保育園とは
企業主導型保育園とは、国の支援のもと、民間企業の事業拠出金を財源として運営する保育施設のことです。
企業が保育園を設立して運営することで、従業員の仕事と育児の両立を支援し、女性の職場復帰や人材の定着率向上を図ることができます。
保育事業への関心が高まるなか、子育て支援を社会的責任と捉える企業が増えており、新たな福利厚生としての意味も含めて注目を集めています。
企業主導型保育事業の概要
企業主導型保育事業は、国が推進する保育制度の一つです。
多様な働き方に対応する保育を提供する企業等を支援し、働く親の利便性を高めることを目的としています。
企業主導型保育園は、複数の企業が共同で設置することができ、自社はもちろん、地域住民の子どもたちの受け入れも可能です。
従業員が安心して働き続けられる環境を整えることで、企業の人材確保と社会全体の就労支援にも寄与するでしょう。
また、企業主導型保育園は認可保育園よりも運営の自由度が高く、多様なニーズに合わせて柔軟なサービスを提供できるよう設計されています。
企業主導型保育園の特徴
企業主導型保育園の特徴は、以下の通りです。
企業は保育園の利用枠を確保できる
福利厚生として企業が保育料を一部または全部負担しても良い
開所時間・開所曜日を自由に設定できる
運営費・整備費について認可施設並みの助成が受けられる
保育園の利用に自治体の認定は不要
保育園の利用者と園が直接契約する
延長・夜間、土日の保育、短時間・週2日のみの利用も可能
企業主導型保育園は、会社の勤務時間に合わせた開所時間・開所曜日を自由に設定できるため、時短勤務やシフト勤務などの働き方にも対応できます。
利用者は園と直接契約するため、自治体の認定を受ける必要はなく、従業員は優先的に利用できるのが魅力です。
企業としては、従業員のワークライフバランスや満足度が向上するうえに、地域社会にも貢献できるのが特徴です。
企業主導型保育園と認可保育園の違い
企業が主体となって設置・運営する企業主導型保育園は、国が定めた基準のもとに運営される「認可外保育園」です。
企業主導型保育園と認可保育園の違いは、以下の通りです。
企業主導型保育園は「認可外」
企業主導型保育園は認可外保育園に分類されますが、企業が主体となって設立・運営するため、従業員の子どもを優先的に受け入れることが可能です。
従業員もそうでない家庭も、国の支援や指導のもとで基準を満たした運営がされるため、安心して子どもを預けられるでしょう。
また、自治体ごとに企業主導型保育施設の保育料補助も行われ、保険料の負担も軽減されています。
認可保育園と認可外保育園の違い
認可保育園と認可外保育園の違いは、運営主体と国や自治体の基準に基づいた認可の有無です。
認可保育園は、国や自治体の認可を受けた施設で、保育料は自治体によって設定され、所得に応じて保護者が支払います。
一方で、認可外保育園は児童福祉法に基づく認可基準には該当しない保育施設であり、保育料は施設側で自由に設定できます。
企業主導型保育園のほかに、病院内に設置された院内保育園、企業の事業所内に設置された事業内保育園も認可外保育園に該当します。
企業主導型保育園を導入するメリット
企業が企業主導型保育園を導入するメリットは、以下の通りです。
離職率の低下
企業主導型保育園を導入すると、若手の従業員が子育て期でもキャリアを継続しやすくなるため、出産や子育てを理由とした離職を防ぐことができます。
離職率の低下は、企業にとって長期的な人材育成やノウハウの蓄積に影響し、持続可能な組織運営を支える要因となるでしょう。
子育てと仕事のバランスを取りやすくなれば、従業員満足度が向上するため、組織内の士気と生産性向上にもつながります。
優秀な人材の確保
企業主導型保育園の導入は、優秀な人材確保にも直結するメリットがあります。
現代では、ワークライフバランスを重視する労働者が増えており、特に子育て世代のキャリア形成では、子どもの預け先を大きな懸念材料としている人が多いです。
企業が提供する企業主導型保育園は、従業員が安心して子どもを預け、ストレスなく仕事に集中できる環境を作り出します。
企業の子育て支援は、従業員にとって魅力的な福利厚生となり、企業にとっては人材を確保するための重要な戦略となるのです。
地域への貢献
企業主導型保育園は、地域の子育て支援を強化するだけでなく、地域経済やコミュニティの形成にもポジティブな影響を及ぼしています。
地域コミュニティにおけるサポートは、将来の世代を育てるために非常に重要です。
また、保育園の建設や運営には地元の業者が関わることが多く、地域内での経済活動を生み出せるのもメリットです。
保育施設があることで、新たな家族が地域に移り住むようになれば、地域経済の発展を促進することにもつながるでしょう。
企業主導型保育事業の助成金について
企業主導型保育園の設置費や運営費については、企業主導型保育事業における2種類の助成金があり、国の支援を受けることが可能です。
整備費助成金の概要
企業主導型保育事業の「整備費助成金」は、企業主導型保育園の設立や運営に必要な施設整備にかかる費用の一部を国から補助する制度であり、保育園設置時の初期費用の負担を軽減します。
保育室や遊戯室、屋外遊技場、調理室、便所(幼児用便座)の設置費用などが支給対象です。
詳しくは、こちらをご覧ください。
運営費助成金の概要
企業主導型保育事業の「運営費助成金」は、園の安定的な運営を支えるための支援です。
園の設備や運営規模、地域状況により異なりますが、地域、定員、年齢、開所時間、保育士比率など、5つの区分における基準額に基づいて、 その月の助成額が算出されます。
詳しくは、こちらをご覧ください。
企業主導型保育園の設計・建築はサイプラス(SAI+)にご相談ください
企業主導型保育園は、働く従業員のニーズに応え、地域社会の子育て支援を兼ねた施設です。
保育園の設計・建築には、子どもたちが安心してのびのびと過ごせる、安全かつ充実した環境が求められるでしょう。
サイプラス(SAI+)は、企業主導型保育園の設計・建築も手がける設計事務所です。
認可保育園、認可外保育園、認定こども園などでこだわりの園舎を設計してきた事例が数多くございます。
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デザインと機能性を兼ね備えた安全で魅力的な保育園の園舎設計は、サイプラスがお手伝いします。ぜひお気軽にご相談ください。